モラハラ加害者が自己紹介するよ

現在30代・関東在住・会社員
5年程前に結婚、昨年離婚。子供はいない。

離婚の原因は、自分のモラハラと妻の不倫

結婚2年目で、妻の不倫が発覚
すったもんだありながらも、再構築していく道を選ぶ

モラハラの傾向が徐々に現れてきたその後

不倫は水に流そうとは言ったものの
なかなか記憶からは消えてくれない(当然だが)のと

元来、モラハラ加害者となる素質は十分に備えていたので

徐々に、妻に対する当たりが激しくなっていく

物にあたったり、怒鳴ったりしたかな。
壁に向かってぬいぐるみ投げたりしてた。

妻が男性と会う約束なんかがあったりした時は特に
相手が安全だと判っていても、ピリピリしていたと思う。

そういう意味では束縛も強かったなあ。

不貞の時効である3年が近づくにつれて、激しくなってた様に思う。
時効になれば良い区切りになり、これで完全に水に流せるとは思ってたんだけど、その裏で思う所は別にもあったかもしれないと、今となっては思う。

爆発→別居

で、時効の3年になる直前に
意見の食い違いからの喧嘩で、爆発。

ぬいぐるみを投げるなんて生易しいものじゃなかったな。
あらん限りの声で叫んで、本棚の本をぶちまけてた。

妻はそのまま実家に避難
女性センターに相談しにいった所、DV加害者プログラムというものを勧められたそうで
そこに通って欲しいと妻から伝えられる。

確かに、相手の不倫があったとはいえ自分のしたことは明らかにおかしいし
そこに自分自身しんどさを感じてはいたので
自分を変えられるかもしれない、という希望も持ちながらDV加害者プログラムに通い始めることになる。

DV加害者プログラムで自分を変えよう

DV加害者プログラムは、毎週土曜日お昼すぎから2時間1コマ
52週通って1セット。

1人の女性講師と、DVやモラハラの加害者男性が3~6人程という形。
参加男性は、下は20代後半から、上は50代くらいまでと、意外と年代が広い。

怒鳴ったとか、物に当たった…という自分と似たようなモラハラな人から
蹴り飛ばして、首を締めた…なんて人もいた。

ただ、共通して言えることは
ぱっと見た感じ、誰もそんなことをしそうな人には見えなかった。
所謂「犯罪者ヅラ」みたいなのが居なかった。そういうもんなんだなあと感じた。

前半1時間・今週の振り返り

前半の1時間は、今週あったことの振り返りを皆に向けて話す時間。

1人1人、それぞれが
・妻とこんな話、やりとりをした。衝突したor和やかに話せた 等
・子供と会えなくなったのが辛い…会えるようになりたい
・こんな本を読んで、こんな気付きがあった

等々、それぞれ思い思いに語り
それについて講師が相槌を打ったりダメ出し等をしていく流れ。

後半1時間・グループワーク

後半の1時間は、プログラムが用意したテキストを使ってのワーク

自分がしたことを書き出したり
テキストを1段落ごとに、1人ずつ読み上げたり
(小学校の国語の授業を思い出した)

テキストに書かれたシナリオに沿って、DV寸劇なんてこともした。
女性役になって、微妙な裏声で「あなた、なんでそんなこと言うの!?」とかやってた。

プログラムに対する不信

プログラムの雰囲気は、ハッキリ言って重苦しい。
参加を重ねる度に、憔悴していく参加者が多い。

特に憔悴されていた方はどうやら、給与口座を奥さん側に握られて
別居しているにも関わらず、毎月とても生活出来ない額しか貰えてないらしい。
額を聞くと、いくら男性側がモラハラやらかしたとしても、その額は罰にしてもちょっと…という額だった。

当然、お子さんにもずっと会えてないらしい。

前半の1時間パートで、その方は何度も窮状を訴えては居たが
講師は一貫して
「あなたが悪いのだから受け入れろ」という姿勢だった。

しかし、それでは生活ができない…!と反論もあったが
講師の「ハァ…あなた解ってないですねぇ(嘲笑)」
という言葉で大体の話し合いは打ち切られるのが恒例となっていた。

モラハラをしたとはいえ、会う度に痩せていき、憔悴していくこの人を見るのは辛かった。

これは一例だけど、他にもこれは??という事例をいくつも間近で見ていたので
少しずつ、プログラムに対する不信を抱いていった。

ブログ立ち上げ・並行してカウンセリング

不信は抱きつつも、これも自分を変えるため…
という姿勢は崩したくは無かったので、ただただプログラムに通う日々

ただ、一度持ってしまった不信感は拭えなかったので
誰かに相談してみたかったが、中々できる内容でもない…

ということで、誰かが見てくれるかな?という期待を込めて
ブログを書き始めてみた。

 

dv-learn.net

また、平行して
夫婦問題カウンセラーなるものを受けてみた。

カウンセリングを受けてみた事が幸いして、なんとなく気分のバランスも取れてきた感じはあった。

プログラムで感じた不信感をカウンセラーに話すことで解消したり
自分の抱えているモラハラという問題の改善についてのアドバイスを乞うたり。

プログラムの方は、悪くいうと「閉鎖的」だったので
自分の価値観が狭まった感覚があったけど、カウンセリングを受けることで
もう少し広い範囲で、問題を考えられるようになってきた様に思う。

DV加害者プログラムとは全然別の体系での「脱暴力ワーク」なるものがあるのを知ったのもこの頃。

「DVには加害者も被害者もなく、皆が当事者であり、それぞれの問題を解決していく事が回復につながる」
という趣旨に興味はあったのだけれど、本拠地が京都ということで…機会があったら連絡してみようかな?と心の片隅に留めておく程度だった。

また、カウンセリングを受け始めたのが功を奏したのか
別居中の妻との関係は、この時点では少しずつ良い方向に向かっていた。

自分がカウンセリングも平行して受けていることを妻に話すと
妻も受けてみたいという事なので、カウンセラーに相談したところ、歓迎された。

カウンセラーも、プログラムには不信を抱いていたそうで
いきなり2人でカップルカウンセリングを受けるのは難しいけれど
別々で受けてみるところから、お互いに良い方向に向かえるよう、努力しましょうとの事だった。

プログラム参加停止

その次の週のプログラムの前半で
自分と妻それぞれカウンセリングを受ける旨を話した所

プログラムの講師から猛烈なダメ出しがあった。

「カウンセリングなんて無理やり受けさせて、何を企んでる?」
「彼女が受けてみたいと言った…?へえ…?ふうん…?」

どうも、妻がカウンセリングを受ける事が面白くないらしい。

で、その数日後にどうなったかというと

 

妻から離婚届が送られてきた。
あまりに唐突で、意味が分からなかった。

意味がわからないまま、次の週のプログラムに行った時
前半と後半の間の時間で、講師が唐突に
妻は不倫したことがある、という事を他の参加者も居る前で暴露して下さった。

またまた意味が分からなかった。
そもそも、不倫とモラハラは別問題で、不倫されたからモラハラしたんだ という風に自分を正当化したくはないし、他の参加者に知られたくは無いので秘密にしておきたいと講師には一番最初に言ってあるにもかかわらず…だ。

かなり自分にとってはショックで、これでかなり気分的に追いつめられてしまった。

その時の話は、実はボイスレコーダーで録ってあるんだけど、公開なんてしたらまずいよね?

それはそれとして、その後妻に連絡しても繋がらず

途方に暮れたまま、またプログラムの日がやってきて
今週も行くか…と出かけようとした時に、プログラム講師から

「今後のプログラム参加をお断りします」
という旨のメールが来る。ちなみにこれはほぼ原文。
1行のみのメールだった。

いよいよ混乱して、プログラム講師にその場で電話(一応録音回しながらというのが我ながら小狡い)
参加停止とはどういう事かと聞くが、教えては貰えず。

正直、何を話したのか今となっては記憶も薄れているし、録音を聞き返したくもない。
とにかく、プログラムには行けなくなった。

その後、とあるルートで手に入った
プログラムの講師養成講座テキストによると…

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カウンセリングは危険だ、というポリシーがあるらしいというのを知った。

さらに、妻側に弁護士を紹介してマージンを受け取っている
なんて話も聞いた。本当かどうか、証拠もないのだが
その後再会した、プログラムの参加者達の妻側についた弁護士が共通して数人いたことから、まあそういう事もあったのかもなあ、と思っている。

脱暴力ワークへの連絡

で、先のプログラム講師との電話を終えた自分は
パニック状態に陥っており、何をどうしていいかもわからないまま

以前見つけた「脱暴力ワーク」主催のカウンセラーに電話をしていた。
しかもこれまでコンタクトをとったことも無いにも関わらずだ(笑)

あとからその時の事を聞いたら、自分は過呼吸状態だったそうだ。

いきなり、今あったことをまくし立てていたという
かなり迷惑な電話だったろうなと今では思うが

電話に出て下さったカウンセラーは、電話の向こうの相手がただならない状態であることは明白だったので
落ち着かせて、問題を根気よく聞いてくださった。

京都が本拠地だけど、月に一回東京でもカウンセリングやワークを開いているということなので、そちらにも行くこととなった。

脱暴力ワークへの参加

初めての脱暴力ワークの参加は、戸惑いしか無かった。
講師は男性(60代)で、自分の他の参加者は「いかにも」暴力振るってそうな風貌の男性(失礼。中身は物凄くいい人)と、なんと女性がいた。被害者らしい。

参加者はカウンセラー含めてこの4人だけ。

ワークの内容も、なんというか…穏やかというか朗らかというか
プログラムで感じていた重苦しい雰囲気が一切ない。

何より、講師(カウンセラー)の男性が
こちらの話を共感的に聞いてくださっている。

これもプログラムではありえなかった雰囲気。

それでいて、暴力について自分のしていたこと
何が問題だったのか、自然に気付いてしまう…という不思議な空間だった。

しかも、被害者である女性も一緒に参加して
たまに冗談どころか猥談までしてみんなで笑ってるという場だった。

意味がわからない。いや、わかるけどこれでいいのか??というのが最初の感想だった。

いいかげんに見えて、DVに関する事の捉え方や説明等は
本当にしっくりくるもので、ただいいかげんな訳ではないというのはよく判った。

生育での問題、親との関係で培われてきた価値観。
今の社会での性意識や価値観との齟齬etc。
捉えるべき問題がスッと入ってきたのは驚いた。

カウンセリングも、本当に楽になれた。

調停と離婚

その数カ月後、妻が弁護士をつけて調停を申し立てた
自分は、あっさりそれを受け入れてしまった。

特に慰謝料もなく、本当にあっさり離婚した。
同じワークに繋がれればなあ、という希望もあったけどそれも叶わず。

今となっては、自分の問題を解消していく事が最優先にあったので
あっさり受け入れたんだろうなあ、と思う。

プログラム参加者との再会

脱暴力ワークについて、何度かブログに書いていたら
「私も受けてみたい」という問い合わせが男性・女性・加害者・被害者問わず何通も来たので、場所や主催者についてそれぞれ返答する…という事が何度かあり

その度に、ワークやカウンセリングの参加者が増えていった。
男性も女性も、DV男も被害者女性も、同じ場で笑い合って、問題解決していくという場が今は出来ているように感じる。

ある日、新しく来る人で知っている顔があった。
なんと、DV加害者プログラムで一緒に受けていた人だった。
一人は男性のみ、さらにもう一人男性と、なんとその奥さんとそのお子さんも一緒だった。

全員、プログラムの方は辞めてきたそうだ。
女性の方も、プログラム講師のやり方には疑問を持っていて
たまたまネットで色々調べていたら、自分のブログを見つけられて問い合わせしてくださったそうだ。

お互いに、プログラムなんて繋がりがあったことなんて知らずに、だ。
奇跡的な再会だと思った。

その夫婦は今もワークに通っていて
まだお互い問題は抱えており、別居中ではあるが、週に1回は必ずお子さんも一緒に出かけたりしているそうだ。

自分は離婚という結果にはなったけど、こうして再構築を歩んでいる人を
同じ境遇だった人たちの救済を見ることで、何かが救われた気がした。

そして今に至る

ワークには今も通っており、その都度新しい発見や出会いがある。
自分が抱えている問題も、少しずつではあるが解消され、職場や友人等、色んな人間関係が円滑になった事を感じている。本当にありがたいし、嬉しい事だと思う。

今は、DVやモラハラで苦しんで、しんどい思いをしている人が
一人でも多く、楽になれたら…という思いでメインのブログを書いたり
ワークのカウンセラーさんの言葉を届けるためのお手伝いをしたり…

友人の夫婦が諍いを起こしたら相談に乗る役にいつの間にかなっていたり…

なんだかんだで、充実した日々を送っているのではないか…と思う。

最後に

メインのブログでは、言葉遣いや構成にかなり気を使っていた事もあり
一度自分の事を素直に自分の言葉で一気に書きたい…という欲求があったのだけれど
なかなか難しいと思っていた所、つい数日前、特に目的もなく始めてみたはてなブログで書けば良いんじゃないか?という気がしたので、思い切って書いてみた。

推敲も何もせず、読みやすい段組、ボールドやカラーなんてのも何も意識せず
ただ自分の救済のためだけに、心のままに書いたものなので、お見苦しい点は多々あっただろうけれど
ここまで読んでくださったあなたに大きな感謝を。

ありがとうございます。